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川島 & スワンモントリー アソシエイツ

วิเคราะห์สถานการณ์เครษฐกิจ สังคม และการเมืองเอเชียเป็นภาษาไทยด้วยมุมมองจากญี่ปุ่น สำหรับคนไทยโดยเฉพาะ

中国の発展を見越した事業計画は見直しておいた方が賢明ですよ これまでの20年とは大きく変わる中国

 現代の中国には選挙によって政権が交代するシステムがない。そして、共産党の独裁下で既得権を謳歌する人々が大きな政治力を持っている。これでは、いくら口で「改革」を叫んでも「改革」が進むことなどない。

 それでは、今後、中国はどのような国になって行くであろうか。一部のマスコミは、格差に不満を持つ人々が暴動を起こすなどして共産党支配が崩壊することを予測しているが、筆者はそのような事態には発展しないと考えている。

それは、貧富の差は大きくさらに拡大し続けているが、それでも国民の多くが経済発展の恩恵を受けているからである。社会の底辺に暮らす人々も、10年前に比べれば確実に豊かになっている。

中国にはものが溢れている。食品の安全性などに問題があることは事実であるが、都市の最貧層でも食料の入手に困ることはない。また、衣服や靴などの日用品も街にあふれている。裸足で歩く人など見かけたことはない。住居費が高騰により満足な住居を得ることができないのは北京や上海など省都になっている大都市だけである。農村や地方の小さな都市に住んでいれば、それなりの家(ただし汚い)に住むことができる。農民の子供が大学に進学するケースも増えている。

多くの人が、役人の汚職や不正に腹を立てているが、なんとか暮らしている。それは、硬直した社会主義システムのために、基本的な生活物資の入手までもが困難になっていた1980年代の旧ソ連とは大きく異なる。多くの中国人は、物質的な生活にはそれなりに満足している。だから、暴力に訴えてまで政権を転覆させようと考える人は少数に留まる。これが、共産党支配が急速に崩壊することはないと考える理由である。

そうであるなら、中国はこれまで通りに発展し続けるのであろうか。その問いに対する答えはNOである。

中国の発展は日本や西欧先進国の模倣に過ぎない。そして、政権が強固であったために、開発独裁が極めて上手くいったに過ぎない。しかし、上手く行きすぎたために、強引な開発は多くの矛盾を産み出してしまった。

今後、中国はその矛盾に足を取られて、順調な経済成長を続けることが難しくなる。特に、不動産バブルは深刻な状況に至っている。中国政府はバブルが破裂しないように、困った地方政府やその周辺の組織に影で資金を供給しているようだが、それは新たな矛盾を作り出すことになる。倒産しそうな組織に無限に資金供給を続ければ、金融政策が正常に動作しなくなる。その結果、今後、長い期間にわたり中国経済は停滞してしまう可能性が高い。

中国経済の停滞はタイにも大きな影響を及ぼす。過去、20年のアジア諸国の経済成長は、中国の奇跡の成長に助けられた面も大きいためだ。タイの皆さんに忠告したい。中国が経済発展することを見込んだ事業計画は縮小した方が安全である。