K & S Associates

川島 & スワンモントリー アソシエイツ

วิเคราะห์สถานการณ์เครษฐกิจ สังคม และการเมืองเอเชียเป็นภาษาไทยด้วยมุมมองจากญี่ปุ่น สำหรับคนไทยโดยเฉพาะ

自民党が大勝した理由  地方が決める日本の政治

タイの人もニュースで日本の与党が参議院選挙で勝利したことを知っていると思う。与党は衆議院と参議院の双方で過半数を獲得し、安倍内閣は野党に妥協することなく法案を成立させることが出来るようになった。

それを受けてマスコミは成長戦略を策定せよ、果断な規制緩和を行えと言っている。しかし、安倍内閣が果断な規制緩和を行うことはないだろう。それは、日本ではどのような政権が出来ても果断な規制緩和を行うことなど出来ないからだ。なぜ、出来ないのだろうか。

その背景に選挙制度がある。日本は民主主義の国である。しかし、実際には、日本の民主主義は極めて不完全である。1票に大きな格差がある。貴族が4票を持ち、平民は1票しか持っていない。そんな国は民主主義国と言えない。もし、アフリカのある国が白人に4票、黒人には1票と言った選挙制度を導入すれば、世界から極めて強い非難を浴びることになろう。

 しかし、先進国であり、かつ民主主義を標榜する日本において、現にそのような選挙が行われている。日本で4票を持っているのは地方に住む人々である。そして、1票しか持っていないのは東京など大都市とその周辺に住む人々である。

今回の選挙では自民党が大勝した。しかし、自民党は本当に大勝したのであろうか。参議院選挙は選挙区と比例区に分けて行われる。ここで、比例区における自民党の得票率は34.7%に過ぎなかった。有権者の約1/3しか自民党を支持していない。それなのに、地方の選挙区選挙で勝利したことによって過半数を獲得した。選挙区における1票の格差は最大で4.8倍にもなっている。

日本の政治は地方が動かしている。ここで、都市と地方の政治的利害が同じならば、1票に大きな格差があってもそれほどの弊害にはならない。しかし、日本の都市と地方では利害が大きく異なる。

今日、都市ではインターネットに代表される新しい技術を受けて、新しい産業が次々に生れている。一方、地方では今でも農業や漁業などが重要な産業である。極めてマクロな観点に立てば、現代において国富を生み出しているのは都市である。そして都市は勝ち組が住む地域であり、一方、地方は成長から取り残されたお年寄りが住む地域になっている。このような状況にありながら、日本の政治は地方に住む人々が動かしている。それが日本の発展にとって、大きな足かせになっていることは明らかだろう。

タイに住む人々は、この問題を日本の問題と考えてはいけない。十分に気を付けないと、タイも日本と同様に罠に陥る可能性がある。これは警告である。それでは、なぜ、そうなるのか。次回からは、アジアの経済発展を語ることから、1票の格差について考えてみたい。