K & S Associates

川島 & スワンモントリー アソシエイツ

วิเคราะห์สถานการณ์เครษฐกิจ สังคม และการเมืองเอเชียเป็นภาษาไทยด้วยมุมมองจากญี่ปุ่น สำหรับคนไทยโดยเฉพาะ

日本と同じ誤りを犯すな: コメの政府買い取り政策は愚策

 タイ政府はコメの高値買い取り政策を始めた。それは農工間格差を是正する政策の一つであるが、その一方で、常に改革に反対する強い政治勢力を育成してしまう。

 農業技術が発達した現在、食料は世界中で余り気味になっている。特にアジアでは人口増加率が低下しているために、その傾向が一層強い。コメ価格は低い水準で推移しており、農業は儲からない職業になってしまった。毎年が豊作貧乏なのだ。

 一方で、経済発展に伴い都市に住む人々の所得は向上している。人間の幸福感は絶対値ではなく、他人との比較による。都市の人々が豊かになるのを見て、農民が不満を抱くのは当然である。

 政治家は農民の不満に答えなければならないが、どの国の政治家も考えつくことは同じである。コメを高値で買い取る政策だ。日本も過去にそのような政策を行った。

 しかし、コメ買い取り政策は農業の発展を阻害する。ある程度の収入が得られるために、小農が維持されてしまうからだ。その結果として、農地の集約化が進まない。

 それだけではない。最大の弊害は多数の小農が維持されることにある。小農を組織した政治団体(日本では農協、農協は正確には政治団体ではないが、実際の行動は政治団体と変わりがない)が形成される。この小農を組織した団体は、21世紀に国家が発展するために求められる改革に対して、常に最大の抵抗勢力になっている。

 コメの買い取り政策によって、タイの「赤シャツ隊」はより強力な政治勢力に発展する可能性がある。それは、タイの将来にとって大きなマイナス材料である。

 農民の貧困化に対しては農業の保護よりも、直接保護(農民の子女に無償の奨学金を与えて、都市への移住を容易にすることは効果的だ)を行う方がよい。

 日本農業の衰退を考えるとき、コメの高値買い取り政策が間違いであったことは明らかである。政府は貿易交渉の度に農業団体への対応に苦慮する。国民は高いコメを買わされ続ける。コメ農家も将来への展望を開くことができない。

全てのプレーヤーが損をしている。だが、一度、農協のような団体が作られてしまうと、その幹部や職員の職を維持するために組織は自律的な運動を続けることになる。それをつぶすことは容易ではない。日本ではほぼ不可能であろう。 

タイは日本の失敗から学ぶべきだ。制度が定着しない今なら間に合う。コメの高値買い取り政策を即刻止めるべきである。