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川島 & スワンモントリー アソシエイツ

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なぜオバマ大統領はシリアを攻撃したがるのか

 先の記事で「延長も含めて最大で90日間、シリアを爆撃する」という案を米国議会が承認しそうだと書いたが、ここに来て情勢は大きく変化している。米国民の多くが戦争に反対しており、議会の承認が得られそうもないのだ。オバマ大統領は窮地に陥っている。

 そもそも、なぜ、オバマ大統領はシリアを攻撃したがるのだろうか。彼はノーベル平和賞を受賞するなど、好戦的な人物には見えないのだが・・・その理由を考えてみた。

 

1) 化学兵器の使用に怒っている。

化学兵器の使用については状況証拠しかない。決定的な証拠はないのだ。それは大量破壊兵器の保有を理由にイラクを攻撃したケースに似ている。これが、英国が米国と共同歩調をとらない最大の理由だ。

 

2) イスラム過激派の膨張を恐れている

 アサド大統領が過激派で、反体制派が過激派ではないと言うことはできない。反体制派には、アルカイーダが混じり込んでいるとされる。シリア内戦はアサド大統領が所属するアラウィ派(シーア派の一部)とスンニ派の争いであり、アサド大統領を攻撃することはアルカイーダを手助けすることになりかねない。

 

3) 過剰になった武器在庫を処分したい

 米国は、毎年、巡航ミサイルなどの高価な兵器を一定数、生産している。そして、兵器庫が一杯になると新しいミサイルを作る必要がなくなる。それでは武器製造会社が困るから、仕事を維持するためにも、10年に一度ぐらいミサイルをぶっ放す必要がある。

 

4) “ならずもの国家”になめられたくない

 米国は世界の警察官だ。シリアを放置すれば、北朝鮮やイランなど“ならず者国家”に米国は弱腰だと言うシグナルを送ることになる。その結果として、北朝鮮やイランが冒険的な行動に出る可能性がある。それを牽制する意味でもシリアを攻撃したい。

 

5)  世界の金融システムの維持には武力が必要だ

米国は国際金融秩序を守る上でも、時々武力を行使して、逆らったものへの罰と罰を与える力があることを見せつける必要がある。偽ドル札を作る、借金を返さないなど、お金が絡むと、とかくトラブルが発生し易い。国際金融の世界では、国ぐるみでそのような無法なことを行うことがある。国際金融秩序を守るために、そのような国の行いをけん制する必要がある。これも警察官の仕事だ。

 

ざっと、こんなところが思いつく。

オバマ氏は大統領になって変わったと思う。ノーベル平和賞を受賞した頃の面影はない。それは、大統領になると国益を第一に考えなければならなくなるからだろう。そして、選挙を戦う上でも、多額の資金を有するウォール街の意向を無視できなくなる。それが、権力を外側から見ていた時と、内側から見る時の違いである。

 そう考えると、シリアを攻撃したいと考える理由は公式的には1)だが、真の理由は3)4)5)なのだろう。

 特に5)は重要と思う。現在、米国の主な産業は金融である。そして、米国が考える秩序を世界に押し付けるには、武力が必要になる。武力なしでは、世界の金融秩序は維持できない。それは、賭場の秩序を維持するために、“やくざ”が必要であることに似ている。