K & S Associates

川島 & スワンモントリー アソシエイツ

วิเคราะห์สถานการณ์เครษฐกิจ สังคม และการเมืองเอเชียเป็นภาษาไทยด้วยมุมมองจากญี่ปุ่น สำหรับคนไทยโดยเฉพาะ

中国が変えるミャンマーの農業(1)

 ミャンマーに行ってきた。バンコクから飛行機でマンダレーに飛び、東北地方を視察した。その昔、援蒋ルート(重慶蒋介石政府に対して英国と米国が軍事物資を運んだ道路)と呼ばれた道を車で移動した。

 東方地域はシャンと呼ばれ、シャン族が多く居住している。一時は、軍事政権と対立して武力衝突もあったと言われるが、現在は平和が保たれている。ただ、援蒋ルートから外れた山岳の道において、完全武装した分隊規模の軍人に三度ほど出くわした。筆者はこれまで、アジアやアフリカの農村で、カービン銃を持った一人から二人程度のガードマンに会ったことがあるが、完全武装の集団に出くわしたことは初めてである。それだけ、この地域の治安は不安定なのだろう。

 この地域の特産物はお茶だ。高原であることから、日中と夜間の温度差が大きく、香りがよいお茶が出来る。ただ、その生産量は山奥でもありそれほど多くない。

 そんな山の中でトウモロコシが大量に作られている。トウモロコシの作付けが驚異的に増えたのは、ここ3年ほどのことと言う。生産されたトウモロコシは100%中国に運ばれる。

 中国では食肉消費量の増加に伴い、飼料としてのトウモロコシ需要が増加している。ただ、これは今に始まったことではない。ここ30年ほどの傾向であり、近年、その増加は鈍化している。それなのに、なぜミャンマーから中国に運ばれるトウモロコシが急増しているのであろうか。

 その理由は中国の農民が熱心にトウモロコシを作らなくなったためだ。中国政府はGDPを伸ばすために内陸部へ過剰な投資を行っているが、その建設現場で働いているのは農民である。その賃金は、最近、急上昇しており、日本円にして3万円から4万円にもなっている。その結果、農民はトウモロコシ生産に力を入れなく、生産量が減少したのだ。ただFAOデータを見る限り、中国のトウモロコシ輸入量はそれほど増加していない。

 それにはこんなカラクリがある。中国はミャンマーからトウモロコシの輸入を認めていない。ミャンマーからのトウモロコシ輸入は密輸なのだが、ここのところ、当局は意図的に見逃していると言う。中国は公式統計に乗らない形でトウモロコシを輸入している。まあ、いつものことではあるが、中国のデータは信用できない。

 13億人の人口を抱える中国の食料供給の為に、ミャンマーの東北部が使われ始めている。それはミャンマー東北部を大きく変えた。その影響については、次回以降に述べることにしよう。