K & S Associates

川島 & スワンモントリー アソシエイツ

วิเคราะห์สถานการณ์เครษฐกิจ สังคม และการเมืองเอเชียเป็นภาษาไทยด้วยมุมมองจากญี่ปุ่น สำหรับคนไทยโดยเฉพาะ

中国が変えるミャンマーの農業(2) ミャンマーの経済発展がタイ社会に与える影響

 中国との関係を考える前に、ミャンマーの農業について概観しておきたい。FAOによるとミャンマーの人口は4,910万人(2013)、農民人口は3,240万人、農民比率は66%にもなる。タイの1980年の農民比率は64%であったから、農民比率で見る時に、ミャンマーはタイの1980年頃の状態にある。アジアでは農民比率は社会の発展段階を表すよい指標になっている。ミャンマーの発展はタイより30年ほど遅れていると考えてよいだろう。

 ミャンマーの主要農作物はコメである。2012年のコメ生産量は3,300万、これは同年のタイの生産量3,780tに匹敵する。ただ、タイは現在、約1000tのコメを輸出しているが、ミャンマーはほとんど輸出していない。そのために、一人当たりの年間のコメ消費量を計算すると596kgにもなってしまう(タイは344kg)。

これは大き過ぎる。FAOミャンマーのコメ生産量に対する推定は明らかに過大である。ミャンマーの統計の多くは信頼性が低い。国連の援助を受けて、2015年に初めて全国的な人口調査が行われると言う。人口についてもこのような状態にあるのであるから、コメの生産量について正確な値が分からないのは致し方がない。

 今回、マンダレーから東北地方を旅行したが、ミャンマーの人口密度が低いことを実感した。その割に広い農地がある。水も豊富である。ミャンマーには十分な食料増産余力があると見た。

 軍事政権は、徐々にではあるが、民主化を押し進めている。現状を見ると、もはや民主化が後退することはないと言ってよいと思う。

西側に門戸を開いたミャンマーは経済開発を進めることになるが、その際、コメ輸出に力を注ぐ可能性がある。ベトナムも経済発展を始めた当初、コメ輸出に力を注いだ。現在、ミャンマーも当時のベトナムと同じような状況にある。これと言った産業のない地域において、コメ生産を奨励し、コメを輸出産業の中心置く可能性がある。

1960年代初頭に、ミャンマーのコメ輸出量は当時のタイの輸出量に匹敵していた。しかし、その後、ミャンマーの輸出量減少の一途を辿り、一方、タイの輸出量は順調に増加した。

そのタイのコメ輸出は、ベトナムがコメの輸出を始めた影響を強く受けた。それは、ベトナムが輸出を始めたことにより、国際市場でコメ価格が低迷したためである。

現在、コメ価格は国際金融混乱の影響を受けて高騰している。それはタイの農村に利益をもたらしているが、今後、ミャンマーがコメを大量に輸出するようになると、ベトナム米が出回った時のように、コメ価格が再び低迷する可能性がある。

それは、タイ農村に大きな影響を与える。ミャンマーが経済開発を始めたことは、コメの輸出価格低迷を通じて、タイ社会にも大きな影響を与えることになる。タイ社会はコメの国際価格の低迷に備える必要がある。