K & S Associates

川島 & スワンモントリー アソシエイツ

วิเคราะห์สถานการณ์เครษฐกิจ สังคม และการเมืองเอเชียเป็นภาษาไทยด้วยมุมมองจากญี่ปุ่น สำหรับคนไทยโดยเฉพาะ

アメリカのデフォルト騒ぎが教えてくれること 日本の真似はしないように

 アメリカ議会は国債の発行残高の上限を決めており、政府は上限以上に国債を発行することができない。現在、国債の発行残高がその上限に達してしまい、法律を改正しない限り、新たな国債が発行できない。

 法律の改正が遅れているために、アメリカの行政機関の一部が閉鎖されるとともに、この状況が続けばアメリカ国債がデフォルトになる可能性も取りざたされている。それは、世界経済をリーマンショック以上の混乱に陥れることになる。

 このようなことになったのは、与党である民主党が議会で多数を有していないためだ。野党である共和党は、この機会にオバマ大統領が進めている貧困層に対する健康保険などにおいて譲歩を引き出そうとしている。

この原稿が掲載されるころには妥協が成立していると思うが、それにしても、人騒がせなことである。

 アメリカの国債発行残高がGDPに占める割合は、日本よりも遥かに低い。その日本では、国債の発行残高に上限を儲けてはいない。国債の発行に上限を設けて、その上限に迫るたびに、今回のような議論をするアメリカは日本より健全と言える。

 ここでは、国債を発行して社会福祉や景気対策をすることの是非については論じない。ただ、近年、どこの国でも、政府の財源が税金よりも国債の発行に依存しがちになっていることを強調したい。それは、選挙で選ばれる政府の宿命とも言える。増税を言えば選挙に負ける。国債の発行の方が楽なのだ。

 政府が戦争でもないのに国債を発行するようになったのは1970年頃からである。石油ショックに見舞われたとき、景気回復の手段として国債の発行によって景気刺激が行われたのだが、それがいつしか、慢性的に行われるようになってしまった。

 しかし、借金に依存した財政運営は、今、多くの国で壁にぶつかっている。ここで、ドイツ経済が他の国に比べて好調であることに注目したい。ドイツは第一次世界大戦後にハイパーインフレに陥ったことに懲りて、国債の発行を極端に嫌って来たのだが、ここに来てそれが功を奏し始めたようだ。

 現在、タイの国債発残高がGDPに占める割合は60%程度に留まる。それは多くの先進国よりも低い。タイはこの割合を維持すべきである。決して、国債の発行算残高がGDP200%を越えた日本の真似をしてはいけない。

 確かに国債を発行してインフラの整備を行うことは楽である。しかし、それは、いつしか医療や年金などの福祉財源も国債の依存する状況を作り出す。

 社会民主主義的な傾向があるインラッック政権はこのことを十分に考慮すべきである。国家100年の計を考えれば、国債発行は特別の事情がない限り、慎むべきと考える。